世の中は双方向だ。
インターネットの世界ではチャットでのコミュニケーションが当たり前になり、テレビ番組はリアルタイムでSNSで情報を受け取け、電気の送電すらスマートグリッドで双方向になるという。
本当に便利な世の中だ。この便利な世の中を生きていて気付いたことがある。
我慢できなくなっている。
レスポンス良く回答が返ってくる世の中において、返答を待つという文化が廃れているのだ。
もちろん仕事の場ではその方が効率的なのだが、文化的には待つというのも粋なことがある。一方通行の方が色々な事を考えるという想像力が生まれる。もちろんいい想像もあれば悪い想像もある。
返答を待つ間のワクワクとドキドキ。色々な考えが頭の中に巡る。いいこともあれば、悪いこともある。ゆっくりとした時間の流れを楽しむ。これが本当のスローライフじゃないだろうか?
と言っても、性分として我慢が出来ない人間なので、返答がないと不安になって電話することもある。
それを我慢することも楽しみとなれば豊かではないかと思う。
が、それができないので貰った手紙を何度も読むのだ。
一方通行のやり取りは不便だが、文学的で想像力を鍛えるのには良いという話だ。