神木隆之介と広瀬すずが主演のドラマ「学校のカイダン」
広瀬すずが演じる生徒会長ツバメが、
神木隆之介が演じる謎のスピーチライター雫井の原稿を元に演説するというドラマ。
これを、プレゼンのプロが解説してみたいと思います。
第4話では、教師と生徒のスキャンダルが発覚します。
今まで嫌がらせしていたプラチナ8と過剰な擁護をしていた教師とのスキャンダル。これが学校新聞で公開されます。
学校は教師を退職させようとする署名活動。学校側も自主退職を迫ります。
もちろん、学校側は処分を行いますが、教師は学校側の弱みに付け込み、高待遇での異動。
生徒は海外の関連校へ転校を迫られます。つまり、罪は生徒に擦り付けて、教師は逃がそうとしている訳です。
ツバメは職員室に乗り込みます。
今回のスピーチは説得のプレゼン。
しかし、今回はこれまでと違って、事実やメリットを明示できません。すべてが推測でのプレゼンとなります。
つまり、感情に訴えるプレゼンとなります。非常に難しいプレゼンです。
重要なのは、感情を明示化することです。
ツバメは泥団子を持ち込みました。
「汚いオトナども泥を食え」そう言い、泥を投げつけます。そして3つの事を話します。
1つめは怒り
どうして逃げるのか?守るべき大人が逃げるのか?都合が悪いことは無かったことにする。
それを「上手に生きる」と正当化して、子どもを切り捨てる。
2つ目は悲しみ
子どもはそれを見て、嫌だと思いながらも、大人が教えるから、そういうことをやってしまう。
しかし、大人はそれを否定する。
3つ目は願い
教えてほしい。うまく生きられなくても、正しく生きることを、不器用な子どもたちに。
それを願うのはダメなのか。それがダメなら、近づかないで欲しい。
そして、当事者の名前を呼び、職員室から手を引き、泥団子を相手の教師に投げつけます。
「私たちはまだ子どもなのだから、背伸びせずに泣きたいときには泣いてぶちまけよう。」
その結果、誰も罰を受けることなく自体は収束しました。
ポイントは弁証法というロジック。
これを使うことで自分のおかれている立場を明確にします。
弁証法とは、正と反、それぞれの妥協点を出すという論理法です。
本来は、ちょうど良い妥協点を提案するのですが、この場合は妥協点が見つからないという論理。
つまり、1つ目の怒りで、子どもっぽさの感情を出します。2つ目で大人っぽさの感情を出します。
そして、丁度良い部分を考えるが見つからないと訴えます。
これは、矛盾する、無理難題を突きつけてくる上司や取引先へ有効なプレゼンです。
納期を早めろと言いながら、質は落とすなという上司や取引先。
実は、その矛盾に気づいていないことが多いのです。その矛盾を明確にするにはこういった手法が有効です。
単なる感情でダメ出しする相手には、感情で訴える。これも重要なことです。