頭の中の動きと話すスピードが違う
スタッフから言われた言葉である。
会話のレスポンスが早いのに、話し口調はゆっくりというのだ。
そのとおりだ。良く気付いたと思う。
実は、訓練してそうなったのだ。元々はかなりの早口だった。早口というのはデメリットが多い。発音がいい加減になるので、相手に聞き取りにくくなることはもちろん、せっかちや高圧的な印象を与えることが多い。一番そう感じたのが電話でこちらの話す言葉が聞き取りにくいと気づいた時だった。確か30歳ぐらいの事だったと思う。
そこで私が取り組んだのは、母音の発音。口を大きく開けて「あいうえお」の発音をはっきりとさせることだった。それは今でも”仕事モード”になるとそれが発揮される。
ちなみに、話し口調に気づいたスタッフは、仕事モードで発声が変わったとも言っていたのはこの為。大きく口を開けると、自然と話口調はゆっくりとなる。これで早口はある程度矯正することができた。
次に、間を開ける話し方についても訓練をした。
私はADHDを持っているので、頭に浮かんだ言葉をすぐに口にしてしまう傾向が強い。その為、会話の脈絡が無くなり、何を話していたのかがわからなくなることも多い。急な問いに対しての答えも”考えなし”で回答してしまう癖もあるし、その真逆で頭が真っ白になることもある。今でもたまになってしまう。ある講習で講師に相談したところ「プレゼンテーションを勉強しなさい」とのアドバイスをもらい、専門機関で勉強することにしたのだ。
そこで行った訓練は、話の内容を3つにまとめることだった。また、結論から話すことだ。そこで気づいたのは、考えて無言になることには、さほどデメリットがないという点だった。むしろ相手の話を無言でしっかりと聞いて、理解して、少し考えて求められた回答を出す方がメリットが大きい。
敏腕営業の多くは早口で饒舌。私が嫌いな営業マンのタイプがあって、相手の話す時間を与えないタイプ。本人は営業上手と思っているが、単に断るタイミングを与えていないだけ。そういうタイプに対して私が行うことは、相手の話をじっくり聞いて、嫌気がさしたあたりでゆっくりと無駄なく話す。ゆっくりと話すからこちらの話を遮って話そうとするが、私はそれを許さない。それだけでも、商談はこちらが有利になる。自分の時間をマスタークロックにすれは、商談は有利に進む。
おかげで、早口は矯正され、頭が真っ白になりにくくなり、たっぷりとした間を身に着けたのだ。
しかし、早口が悪いとはまったくもって思っていない、ウーマンラッシュアワーの村本氏の早口漫才はもはや芸術と思うし、母音がはっきりしていてとても聞きやすい。そして高圧的なネタを考えると、あの早口は立派な芸だと思う。
とまあ、ウンチクはかっこいいのだが、実際のとこは「ゆっくり話さないと噛む」という事実が一番の本音である。