【論語コラム】いつでもどこでも学ぶ姿勢(オール阪神巨人さん)

孔子の一番の弟子。色んな考えがあるが、孔子自身がゆずらないのは顔回だろう。
極貧の中でも人生を楽しみ、欲を持たず学ぶ姿勢は孔子自身が見習う存在だった。
弟子からも学ぶ孔子の姿勢というのは、中々できないことだろう。
本来は後継者になるはずだったのだが、病死(おそらくハンセン病)してしまったことで孔子が酷く悲しんだ様子が論語にある。

さて、正月といえばお笑い番組。私がいつもすばらいと思うのはオール阪神巨人さんの漫才だ。
もちろん、名人級の方々なのだが、話術だけでなくその姿勢が見習わないといけない。そう思ってみている。

オール巨人さんはある時、テレビ番組でこんなことを言っていた。
「劇場に来てください。劇場はね、お金を払って見に来る訳でしょ?テレビよりも絶対に笑わします!」
また、こんなエピソードもある。ある時劇場で赤ちゃんが泣いてしまった。気を使ったお母さんは赤ちゃんを抱いて客席から立って外に行こうとしたとの時「お母さんどこ行きますねん?赤ちゃんこっちに連れておいで」と、舞台の上で赤ちゃんをあやし始めた。このエピソードは吉本興業の名人級の漫才師では、数組あることだ。中川家、ハイヒールでも似たようなエピソードがある。

お金をもらって笑いに来ているのに、たとえ赤ちゃんでも泣いて、それに気をつかう家族を悲しませない。まさに名人級のプロ魂だ。

しかし、私がお二人がすごいと思うのはつかみだ。漫才ではその会場での客席と舞台の距離を縮ませるつかみが必要。もちろん、落語でも同じだ。大抵の場合は持ちネタでひとつ笑いを取る。だが、お二人の漫才のつかみは、前の出番の若手や中堅漫才師の持ちネタを披露するのだ。本来であれば、若手のネタというのはベテランが行う事なんてない。おそらく、プライドが許さないだろう。それを自然と行う。2022年の舞台で見たのは、霜降り明星のつっこみと、ミルクボーイのつかみをそのまま再現。お二人は理解しているのだ、多くのお客様は今や人気絶頂の彼らを見に来ている。その彼らのネタをリスペクトすることで、彼らのファンは自分たちのネタを見る準備が整う。

あとは、普段通りの名人芸を披露するだけ。「必ず笑わせる」という言葉通りの話術。
会場は大盛り上がり。

お二人の名人たる所以は間違いなく若手からも学ぼうとする姿勢だろう。

年下だから、経験が浅いから、専門外だからと学ぶ要素が無いと思ったら大間違いだ。
私も、アシスタント、スタッフから教えられることが多い。

その気になればだれからでも学ぶことはできるのだ。

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