接客って必要なのか?

正月期間に作業を行い落ち着いてきたら、色々と頭に浮かんできました。
うちの事務所の近くに2件コンビニがあり、。そこの体験が接客について考えさせられました。

一日に何度もコンビニに行く訳なのだが、正月期間も相変わらず昼も夜もコンビニに行きます。
A店は昼間に弁当を買いにいくと「あけましておめでとうございます。今年もお願いします。」と言われ、節分の巻きずしの宣伝をさりげなくしてくる。
B店は夜に行ったら挨拶もない。レジに立ってようやく裏から出てくる。金額が決まっても無言。最後は「あーした」と顔も見ずに言う。

皆さんはどちらのお店を選びますか?

これだけの話だとA店ですよね。
その理由は接客だから。私も同意見で接客は必要と思います。

しかし、あらためて接客の必要性って何かなって考えてしまったのです。

接客のメリットとはおそらく「差別化」「クレーム対応」「従業員管理」じゃないのかなと

差別化はすでにここまでお話を聞いてくださっている皆さんは、なんとなく「いい感じの店員さん」という印象を持っていると思います。また、自分を覚えてくれているという信頼があります。この信頼感は売り込みをスムーズにして、クリスマスケーキのチラシや巻きずし等のセール品販売促進につながる。当たり前ですよね。
しかし、コンビニエンスのシステムを考えるともっと重要な差別化があるのです。今、皆さんの頭の中には、コンビニチェーンの競合の差別化と思っているのではないでしょうか。セブンイレブンとローソンという感じでね。たしかにその差別化は必要です。しかし、コンビニの競合というのは、実は、同じチェーン店だったりします。都会のコンビニの商圏はどのぐらいと思いますか?

50mだそうです。

50mに同じチェーンのコンビニがある可能性がある訳です。大抵の場合はオーナーは違いますから競合になる。そうなると、商品での差別化は不可能。接客での差別化、あるいは、囲い込みが必要となる。郊外のコンビニの場合は商圏は広いのですが、車での移動になることが多いので、やはり競合は同チェーンとなるのです。

近くに同チェーンのコンビニがあるオーナーは一度接客の違いを確認してみてください。

次に「クレーム対応」

接客をしていたらクレーム対応というのは避けて通れない道。私も20年間接客していましたが、そのほとんどが接客というよりも「クレーム対応」要員として働いていたような気がします。クレーム対応で必要なのは、相手との人間関係。郊外になればなるほど、人口は減るので人間関係は必要になります。
都会でもある程度の顔なじみという関係を作ることが必要です。顔なじみになればなるほど、クレームの強さは弱くなる。当然です。

もちろん、それでも収まらないクレームもあることも事実だし、そりが合わない関係もあります。私も経験してきました。が、それでも、顔なじみになっていることで親近感は沸くもの。ちょっとしたミスでも笑って許してくれる。よくあることです。

しかし、きれいごとだけじゃないのが世の中、先ほどお話ししたB店の場合、接客が悪い為余計にクレームになる可能性があります。正直、この店員にはいつ注意しようかと迷っている私もいます。酷い接客なら、やらない方がましです。

あれ?では接客はやらない方がいいということ?

そう考えてしまいますよね。酷い接客なら無くてもいいということになります。一言でいるかいらないかというと判断に迷ってしまいます。

つまり、クレームにつながる接客ならやらない方がましということです。
コンビニだけでなく、接客業の責任者の方は自分がいない時の接客を何らかの形で確認してみてください。また、しっかりとした接客はクレームが減るという意識で指導をすることをオススメします。

接客は差別化とクレーム対応になるとお話ししましたが、これまでは顧客目線。
最後は経営者目線です。

接客は「従業員管理」と、なんだか嫌な感じの言葉です。まるで笑顔の管理みたいですよね。
もちろん、笑顔も管理するわけなのですが、お店の状況は接客の態度等でわかることもあるんじゃないでしょうか?

私は接客業をやっていた最後のあたりは、チェーン店の接客チェックを行っていました。笑顔チェックや行動のチェック。態度が悪い店というは多くの場合、内部で揉めています。店長への不満、従業員同士の派閥。その問題を解決するのが私の仕事だったりしました。店長が変わるまでは、笑顔で接客していたのに、笑顔が無くなっている。店長が変わった途端に態度が良くなった。そんなことが多くありました。

能力の低い店長は「俺に従え」と言い出すのですが、そういう人の多くは、周りに気配りが全くできていない人だったりします。どうして、責任者になったのかと言えば、何らかの一芸に秀でていたり、政治的な能力が高いというだけ。人を扱う能力がない。そして、接客状況の観察眼が乏しいかったりするのです。任命責任果たしてほしいとどれだけ思ったことか。まあ、会社なんて多かれ少なかれそんなことがある組織って割り切らないといけないのですけどね。

ま、割り切れないから、辞めた訳ですが。

店の内部事情というのは従業員の接客に反映されるものなのです。そう考えると、従業員の接客態度を見ていれば店の状況ってわかるものなのです。従業員の接客が悪いから従業員が悪いと決めつけずにどうして接客が悪いのかを考えることも重要だと思います。

接客が悪いとクレームを受けた店長は、今一度店の内部に問題が無いかを考えてみてもいいでしょう。

今回は接客の必要性について、差別化、クレーム対応、従業員管理の視点で考えてみましたが、そんなの言われなくても分かるよという声が聞こえてきそうです。

そうですよね。分かり切っていることを今回わざわざお話ししました。
これも私の経験なのですが、分かっているけど接客は個人の能力に任せている責任者って多いんです。
レジの打ち方教えたら、ハイおしまいって感じで。

マニュアル通りの接客まではいかなくても、お礼と言葉遣いのチェックをしっかりする。
それが人を雇う側の責任なんですよ。

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