元大手ゲームセンターのプレゼン屋がカジノ風介護施設に思うこと

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こんにちは、カジノ風の介護施設(ディハウス)がニュースを賑わわせていますね。

元大手ゲーセン会社(N社)で20年近く勤務した私がこの件について、本当にカジノ風のゲーム機は必要なのかについてお話ししようと思います。

この件は良い点と悪い点が言われています。

良い点とは、頭を使う、コミュニケーションにつながる、遊びたいから外に出ようとする。それに対して、悪い点とは、賭博行為である、依存性があるといったところでしょうか。

このことについては、ゲーム業界では10年以上前から言われていることなのです。

リハビリとしては有効ですが、機械のチョイスをしっかりと考える必要があります。

ゲームセンターはお年寄りがいっぱい?

そうなんです、平日の昼間のゲームセンターはお年寄りがたくさん来店しています。
たしかに、パチンコやパチスロ、ビデオゲームというゲームをプレイされるのですが、実は一番人気なのはプッシャーゲームと呼ばれるメダルを落とすタイプにゲーム。
その理由は、基本ルールが簡単なのと、比較的長続きするから。メダルは出て入れていくので、手先のリハビリにもなることだと思います。
(といっても、最近は自動連射装置なるものもあるのですが)
しかしながら、このプッシャーゲームというのは、人気があるものほど大型になる傾向があり、そうなるとお値段も高級車が一台分から、時には家が一棟立ってしまいます。
さらに、メンテナンスも大変なので、ディハウスではとても手に負えないものです。
リハビリという点ではこれら一番良いと思います。たしかに10年以上通われる方はお元気な方が多いです。

賭博行為という点

お金を賭けないという論点がありますが、もし、そうであれば、ゲーセンのメダルゲーム機は問題ないということになります。
しかし、メダルゲームをそれなりに設置しているお店のほとんどが、公安委員会から「風俗営業店」として指定されます。
それらのゲーム機は風紀を乱す可能性のある機械として指定されています。
たとえ、体操等を行うにしても、ゲームをすることがメインである施設であれば、いずれ、公安委員会の目が光ることでしょう。
介護事業者はこの点の流れを理解しておく必要があるでしょう。
お金を賭けるか、どうかの問題ではないのです。そういう機械を使うことが今後ネックになる可能性があるのです。
ちなみに、ダーツやマージャンも同じです。ダーツもゲーム機、マージャンは別の風営指定です。
それらを、税金を元手に購入するというのは、確かに問題だと思います。

依存について

これは個人の問題ですが、時たま非常に強い依存に陥る方がいらっしゃいます。
これは、パチンコやパチスロといった賭博の依存ではなく、ゲームをするという依存性。
実はパチンコ等よりも根深いものがあります。賭博の依存とは、お金の依存ですが、ゲームセンターのゲームは演出が凝っているので、「あの大当たりをもう一度」という方が多いのです。
言い方を変えると、賭博目的はパチンコ店に行くのに対して、ゲームセンターは体験目的なので終わりがない。
遊びに来られる方も、賭博未経験者が多いの為、ハマってしまうともう大変です。
ごくまれにですが、一日10万円使う方、定期を解約して来られる方までいらっしゃいます。
普段おとなくても、人が変わる。よくあることです。

例えは悪いですが、これまで真面目に生活していた方が、悪い遊びを覚えると抜け出せない。
そういうことも非常に多いのです。

日本人の性格として

私は日本でカジノはダメと言っています。
というのも、日本人はカジノを理解していないのです。パチンコやパチスロはカジノには置けません。
理由は簡単、出る出ないが設定できるから。カジノマシンとは「絶対確率」が必要なのです。
カジノに置いているビデオスロットやポーカーは出る出ないの設定はできません。あるとしても、それは1か月ぐらいの長いスパンのもので「大放出」というイベントができません。
カジノとは自分の運を試すところ。しかし、残念ながら日本人は「どこかで操作している」という意識と「責任は店にある」という方が非常に多い。
「1万円分賭けたけど出ない。詐欺だ!」という方がとにかく多いのです。
今の日本人に合わないのです。海外の外国人旅行者向けに完全クローズで行うしかありません。

介護でどうするのが一番なのか?

一番なのは、お金はかかりますがプッシャーゲームとカードゲームだと思っています。
パチンコ、パチスロはさほど必要ありません。これらをゲーム会社等と連携してリハビリプログラムを作ることでしょう。
ニュースである、薄暗いカジノスタイルではなく、明るく清潔な雰囲気で楽しんでもらう。
これが一番の道ではないでしょうか?

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